タマウラベニタケの大収穫
タマウラベニタケの大群に出くわしたことがある。
森の中、遠目に、一本の大木の根元が白っぽいキノコで覆われているな、古くなった多孔性のキノコかなにかかな、と思って近づいてみると、ブクブクと泡立っている音が聞こえるかのようないびつに盛り上がった形をしたキノコ群が根本をぐるっと取り巻いていた。
その間を縫って、ところどころに傘と柄を持つ典型的なキノコの形をしたものが生えている。
初めは異様な光景にこれが一体なんなのか分らなかったが、もしかして?と思っていびつなキノコと傘を持つキノコをよく見てみる。
両者の形態と一緒に生えているという状況で、これはやっぱりタマウラベニタケ、、、だよな?と思う。
ちょっと赤みがかったヒダを持つシメジ型のキノコ。
傘の表面の感触も知っているタマウラベニタケと同じである。
玉状のキノコをナイフで切ってみると、パフボールのようなスカスカの感触ではなくて、仲間でしっかりみずみずしい肉質。
タマウラベニタケは前にも何度か見たこともあるし収穫したこともあるのだが、それらはいずれも一箇所にせいぜい数本のシメジ型キノコとそのとなりに数個の玉状のキノコという組み合わせが一セットという感じで、こんなに大量に密に樹の根元を埋め尽くして生えているものは見たことがなかったので、すぐには判らなかった。
しかし、一旦タマウラベニタケだと同定できたら、これは大漁・大漁・ホクホクである。
傘とヒダと柄という典型的なシメジ型のキノコ、しかも色も地味なヤツの同定はなかなか難しいが、タマウラベニタケは玉型のキノコを伴っているので分かりやすい食用キノコ。大量に見つかったのは非常に嬉しい。たくさん収獲して持って帰った。
ゴミを払って洗う。
シメジ型キノコの傘は元々ちょっと脆い質で壊れやすかったが、シメジ型のも玉状のもフレッシュで生きが良い食べごろキノコ。
フライパンで炒める。
熱を加えるとシメジ型の方は傘の表面の色が濃くなる。肉質もしっかりする。
一方、玉状の方は切ったジャガイモを炒めた様な感じ。ホクホクとまでは行かないがちょっとポロポロしたような独特な食感。
早速オムレツ風にして食べてみた。
マイルドだが旨味のある優良キノコである。それをこんなにバクバク食べられるほど収獲出来たのはとても幸運であった。これを採ったとき以来、ここまでの大群には出会っていない。次はいつ出会えるかな。