ちょっキノ

-ちょっくらキノコのはなしでも-  キノコ採り・キノコ撮りが好きなんですよ。あくまでも趣味です。気楽なお話サイトなので、敢えて詰めた同定は載せていません。食の可・不可をここの情報だけで判断してはいけませんよ。

青い鳥は身近にいるのかもしれない

MY2009-0654

アメリカのキノコ好きの間で春先に異様に盛り上がる話題、モレル。日本ではアミガサタケと呼ばれる。先の尖った形のトガリアミガサタケも含めてアメリカのキノコファンの間では珍重される。

高級食材店などでとんでもない値段で売っている価値の高いキノコだからということもあるが、何しろ生えているのを見つけるのが難しい。

あるところにはあるけれど、見つけようと思って見つけられるものではない。「モレルはどんなところにも生えるが特定の場所にしかない」と言われる。
つまり、深山にあって素人には絶対に見つけられないというほど見つけるのが難しいキノコではなく、幸運でさえあれば誰でも見つけることが出来るかもしれないという、ギャンブル性の高いキノコ。

キノコ採りの魅力は、見つけにくいものを探し回って見つけたときの喜びが大きいという”宝探し”に通ずるものがあると思う。
だから、一端そのキノコが「見つけにくいもの。見つけたら相当ラッキー」とマッシュルームハンター達の間に認識されると、熱がいっそう盛り上がるのではないか。

エノキの樹下に生えるとか、リンゴの木の下を好むとか、野火や山火事になったあとのような一度荒れた土地を好むとかいう情報が、半ば伝説の様にハンター達の間に語り継がれる。

無駄と知りつつ、春先にはそういう条件に合った所をついつい覗いてしまう。
一日いろいろ歩き回って、今日も無かったか・・・と肩を落とす。

ところが、日常、近所を散歩している途中に住宅地の植え込みの陰に無造作に生えていたりするんだな、これが。
更には、自分の住んでいるアパートの裏の駐車場の端にボコボコと生えてきたりする(上の写真)。
急いで部屋にとってかえし、カメラと収穫用のビニール袋を引っつかんで戻ってくるのだ。
アパートの駐車場の隅にしゃがみこんで写真を撮りまくり何かを大事そうに拾ってビニール袋に詰めている姿に近所の住民は変な人が住んでいると引くかもしれないが、幻のキノコを目の前にそんなことは構っちゃいられない。

ものの本にはバターが非常によく合うと書いてあるので、バター味のピラフに入れて食べてみた。

MY2009-0660

う~ん、ものすごく注意して味わおうとすれば舌に感じないでもない味だが、かなり控えめな風味。
不味くはない。確実に美味い部類のキノコ。しかしものすごく強烈に美味い!!というわけでもない。

やはり、モレルハンターを動かすのは、宝探し的な興奮なのじゃないかという気がする。

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