目玉焼きに最適
腐葉土の上にも芝生の上にも結構いろいろなところに生えているササクレヒトヨタケ。
大群に当たるとかなり嬉しい大漁となる。
ササクレヒトヨタケの味は優良で、スーパーで売っている国もあるらしい。
一晩で溶けるとは言っても、若いものを冷蔵庫で保存する分には一晩以上持つから確かに流通が不可能なわけではない。
ヒダの変色していない白いものをバターで炒め、、、
上から玉子を落として目玉焼き。塩はきつめで。
私にとって、今のところこれに勝る食べ方はない。
ササクレヒトヨタケの風味がどういう風にしてか、玉子の味や風味を強調させ、キノコの旨味自体も加わり、ものすごくリッチな味の目玉焼きになる。
ただの白身の部分のコクが一段と強くなる。
日持ちしないキノコだから、見つけた日の次の日の朝食メニューは自動的にコレに決まるのだ。
私は、ササクレヒトヨタケを料理するときには、洗ったキノコの柄と傘を分けて、空洞な柄の方は指でつぶして裂いて傘よりも先に炒め始める。この指で潰す感触が楽しかったりするんだな。
そして、柄の方が味が濃くて歯ざわりもよく美味しい気がする。
面白いことに、ササクレヒトヨタケを洗ったあとの手は、強いアルカリを触った後の様にヌルヌルする。
一晩で傘が黒くなってとろけてしまうからヒトヨタケ。
傘のとろけた黒い液体状のものはインクの様で、英語ではインキーキャップ。
同属のヒトヨタケそのものに比べると傘の表面が毛羽立っているからササクレヒトヨタケ。
分りやすいネーミングだなぁ。
本家のヒトヨタケは、酒と一緒に食すとアセトアルデヒドの分解が阻害されて酷く悪酔いするらしいが、ササクレヒトヨタケはその心配なく安心して食することが出来るということになっている。
しかし、過去に一回だけ、私はササクレヒトヨタケと酒を同時に摂取して気分が悪くなったことがある。
たまたまその個体がヒトヨタケ的な効果を持っていたのか、たまたま自分の体調が悪かっただけなのか。
そのときは随分裏切られた気持ちになったものだ。
それでも今でもササクレヒトヨタケを見つければ収穫して次の日に美味しい目玉焼きを楽しんでいるけどね。